保健科学東日本に学ぶ臨床検査の種類とかかわる医師や技師について

最終更新日 2018年4月18日 by discov

株式会社保健科学東日本に臨床検査について聞いた

体にいろいろな症状が起きているとき、発生原因を突き止めなければ病名を診断することもどんな治療を進めていけばよいかの判断もすることができません。
このためクリニックでは先生が患者の話を詳しく聞く問診や、聴診器で体の内部の音を聞いて心臓や肺に腸の動きを知る聴診、そして臨床検査などを行っていきます。

臨床検査は大きく分けると2種類で、検体検査と生理機能検査があります。
検体検査はごく身近に行われている尿検査などで患者から採取したものを調べていき、生理機能検査は様々な医療装置を使って行われる検査です。

臨床検査というと体から組織の一部を採取して、ガンかどうかを調べることを思い浮かべる人が多いでしょう。
しかし病理検査以外でももっとたくさん検査があって、検体検査もクリニックで行われているのは主に尿検査や検便は、出血の有無や含まれている成分によって患っている病気を探るときに役立ちます。

さらに腎臓や肝臓状態や消化器官に異常があって出血しているかなどを知ることができ、感染している細菌やウイルスについてわかる場合もあります。

血液検査は健康診断でも受けたことがある人が多いと思いますが、赤血球や白血球の量やコレステロールの量などから肝臓や腎臓の状態、貧血かどうかなどを知ることが可能です。
糖尿病かどうかわかるためには尿検査と血液検査両方を行い診断することが多くなっています。

臓器の異常を調べるときはどうするか?

臓器の異常を調べるときにはさらに生化学的検査を行い、蛋白質やビタミンにホルモンなどについて詳しく知ることができますし、血中の糖質についてもわかりますから病気の確定に役立ちます。
細菌やウイルスについて知りたいなら、免疫血清学的検査で免疫の状態から判断が可能です。

粘膜などから採取した検体を培養して調査する微生物学的検査や、輸血や臓器移植が行われる際に適合しているかみる検査、そして遺伝子検査も検体検査のうちの一つです。

生理機能検査はとても種類が多く、心電図や心音図に脈派など心臓の動きを調べて不整脈や心不全に心筋梗塞などが起きていないか知る検査があります。

脳神経について知りたいならα波やβ波をみる脳波検査を使用し、脳の異常を調べます。
視神経の障害の程度を判定できる眼底検査は緑内障の疑いがあるときや、動脈硬化がどの程度進んでいるか、糖尿病がどこまで進んでいるかも判断するときに行われる検査です。

肺の機能が衰えている可能性があるとき肺活量など呼吸器系の機能を測定し、画像診断ではわからない気管の状態を調べることができます。
膀胱や肝臓、妊娠中にも使用する超音波検査や体に磁気をあて共鳴を画像にする磁気共鳴画像検査つまりMRIに、サーモグラフィーのように体の表面温度をカラー画像化する熱画像検査なども生理機能検査に含まれます。

国家資格である臨床検査技師のお仕事

検査には多くの人がかかわって検査結果を出していて、検査は問診などを行った担当医師が直接行うのではなく、大きな病院に行くほど分業されていて専門の技師が担当することが多いです。

臨床検査技師は国家資格ですが、患者を勝手に検査することは法律違反になってできません。
必ず医師の指示の下で行うことが決められていて、技師も細かく分かれていて認定検査技師は認定されている分野の検査しか行えません。

高度な技術と知識を持っている人は一級や二級臨床検査士を取得することが可能です。
技師と担当医の間をつなぐ存在ともいえる臨床検査専門医という人もいて検査を統括し管理運営をする場合や、医療業務支援などを行いスムーズに検査や診断が行えるようにサポートしている存在です。

小さな病院で検査結果を出すことができない場合、保健科学東日本など外部の検査機関に依頼するため結果がすぐに出ないことがあります。
また医師の中には特定の病院でずっと働くのではなく、依頼を受けた時にその病院に行って診断を行うようなフリーランスの人もいて技術や知識が高い場合は日本だけでなく、海外にも呼ばれる場合があるほどです。

検査を受けることを怖がる人が多いですが病気の多くは早期発見が大事で、気づくのが遅れるほど怖く厄介ですから、体に異変が起きてから行くのではなく定期的に調べてもらう習慣をつけるべきです。
検査によっては年に1回だけや2年に1回でも問題ないものもあるので、医師と相談して調べたほうが良いものを選んで受けましょう。

尿検査や血液検査など、健康診断で受けることができるものは長くデータを蓄積しておくと数値が異常かどうか判断するのに役立ちます。
基準値を判断材料にするのはもちろんですが、多少オーバーしていても体に不具合が出ていないのであれば生活習慣の改善や経過観察で済ませることが可能です。

いつもと違うところで変化が現れた時に、異常が起きている可能性を疑いさらに調べることができるようになるためデータ化しておくことは大事です。
セカンドオピニオンを受けたいというときにも重要な資料となり、ほかの医師の意見を聞くときに役立ちます。